皆様こんにちは!
コロナウイルスなどの感染症患者は指定の医療機関で入院することになっています。
感染症にもいくつか分類があり、適用される病院にも第一種・第二種などあります。
第一種と第二種の医療機関における指定基準や条件について調べてみました。
今回は「感染症指定医療機関の指定基準や条件は?第一種二種の病院の違いも!」と題してお送りさせていただきます。
感染症指定医療機関の指定基準や条件は?
感染症指定医療機関の基本指針、指定基準、施設基準については、以下のように第一種と第二種の感染症指定医療機関には具体的な事項や内容が示されています。
「特定感染症指定医療機関」には、第一種と第二種のよう指定基準は存在しないようですが、
今後の国内における新感染症の発生及び海外から国内への侵入の可能性等を総合的に勘案して国が直接指定しており、
第一種感染症指定医療機関と同等以上の施設である。
(より強い陰圧室、より強力な排気装置、病室内の滅菌装置の設置等)
といった基本指針があります。
■病室関係に関する基準条件
※より重要な基準については強調しておきました。
○ 個室(感染症病床)であること
○ 前室を有すること
○ 病室内にトイレ、シャワーを有すること
○ 病室の床面積は15㎡以上であること
○ 病室の天井の高さが2.4m以上であること
○ 内部の空気が外部に漏れにくい構造であること
○ 外部と前室、前室と病室の扉が同時に開かないこと
○ 外部へのベットの出し入れが容易なこと
○ 前室と病室の間の扉は手の指を使用しないで開閉できること
○ 窓は気密性が高く、非常時にのみ開くことができること
○ 床、壁は清掃、消毒が容易な構造であること
○ 天井は清掃が容易な構造であること
○ 空調は全外気方式又は循環器方式とし、当該病室等に再流入させないフィルターを備えていること
○ 特定区域(第一種病室等の区域)に対する給気設備は、当該病院の他の区域と同一としないこと
○ 給気設備には、外部に感染症の病原体を飛散させないフィルターを有するか、空気の逆流を防止する機能が設けられていること
○ 特定区域の排気は、それぞれの第一種病室等ごとに行われること
○ 排気設備には、外部に感染症の病原体を拡散させないフィルターを有すること
○ 陰圧制御が可能であること
○ 特定区域内の換気を十分行えること
○ 特定区域のための排水処理設備を有すること
○ 第一種病室等の給水、給湯の設備は、逆流を防止する機能を有すること
○ 病室及び前室にそれぞれ手洗い設備を有すること
○ 手洗い設備の水栓は、指を使わないで操作できること
○ 面会設備を有していること
○ 病室に電話、テレビが設置していること
○ 前室に手袋、マスク、予防衣その他の必要な器具等を専用に収納できる場所があること
○ 吸引機器は、これを介して他の患者等が感染しない構造であること
○ 照明設備は、空気が漏れにくい構造とすること
■病院関係に関する基準条件
○ 微生物学的検査を迅速に行える設備を有すること
○ 一類感染症にかかる感染性廃棄物を消毒又は滅菌する設備を有すること
○ 使用した医療器具等を消毒又は滅菌できる設備を有すること
○ 集中治療室を有すること
○ 人工透析を行う設備を有すること
○ 原則300人以上収容する施設を有すること
○ 診療科に内科、小児科、外科を有し、それぞれに常時医師がいること
○ 感染症の医療の経験を有する医師が常時勤務していること
○ 重症の救急患者に医療を提供する体制が常に確保されていること
○ 院内感染対策委員会が設けられていること
感染症の医療機関に対する体制や整備についての詳細は以下をご覧ください。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000521541.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000117057.pdf
『感染症指定医療機関』とは?
感染症指定医療機関には3種類あって、感染症の症状によって設けられている医療機関です。
- 特定感染症指定医療機関
- 第一種感染症指定医療機関
- 第二種感染症指定医療機関
全都道府県に計351医療機関(計1,758床)ある。結核病床(稼働病床)を有するのは184医療機関(計3,502床)。
第一種と第二種の病院の違いは?
第一種は、一類感染症と二類感染症の患者に対して
第二種は、二類感染症の患者に対する医療機関です。
感染症の分類は?
どこの指定機関にお世話になるかは、感染症は危険度によって8つに分類されており、それにより指定医療機関が決まります。
- 一類感染症~五類感染症
- 指定感染症
- 新感染症
- 新型インフルエンザ
感染症類型 | 感染症の名称 | 感染力や重篤性からみた 危険性など |
1類感染症 (7疾患) |
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 | 危険度が極めて高い |
2類感染症 (5疾患) |
急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスに限る)、鳥インフルエンザ(H5N1) | 危険度が高い |
3類感染症 (5疾患) |
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス | 危険性は高くないが、特定の職業への就業において、集団発生を起こしうる |
4類感染症 (43疾患) |
E型肝炎、ウエストナイル熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTSウイルスに限る)、鳥インフルエンザ(H5N1, H7N9を除く)、日本脳炎、マラリア、その他37疾患 | 動物や飲食物を介して感染するが、ヒト-ヒト感染はまれ |
5類感染症 (43疾患) |
アメーバ赤痢、ウイルス性肝炎、後天性免疫不全症候群、先天性風疹症候群、風疹、麻疹、その他37疾患 | 動向調査により感染の発生・拡大を防ぐ必要がある |
指定感染症 | 鳥インフルエンザ(H7N9)、新型コロナウイルス | 危険度が高い |
新感染症 | 危険度が高い | |
新型インフルエンザ等感染症 | 新型インフルエンザ、再興型インフル エンザ | 危険度が高い |
こうした感染症に対応できるように、通常の外来とは離れた救急の外来に感染症外来を設けています。
おわりに
さて皆様いかがでしたでしょうか?
今回は「感染症指定医療機関の指定基準や条件は?第一種二種の病院の違いも!」と題してお送りさせていただきました。
感染症指定医療機関は発生した感染症の感染経路や治療法などが確立されるに伴って施設のガイドラインが整ってきたようですね。
ですが、コロナウイルスの浸食は破竹の勢いで感染していき感染者数が増えていっています。
現在の感染症指定医療機関でも病床数が足りていない状況で、医療崩壊が起きないか心配ですね。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント
[…] 先ず、「新潮」の記事によれば 全国保健所長会 から厚生労働省に、「新型コロナウィルス」を「 2 類指定」から外して欲しいと提言があったそうですが、「 2 類」に指定されている その他の感染症は以下の通り。 感染症指定医療機関の指定基準や条件は?第一種二種の病院の違いも! […]